出身国の妊娠・出産・育児の特徴に関する情報(ペルー)
ペルーは多文化、多様性、多民族の国であり、妊娠・出産・育児に関連した伝統的な習慣・態度・実践が存在している。しかし、ここ数十年で出生前・出産・産後ケアに対する関心が著しく高まり、その結果、伝統的な習慣・態度・実践が大幅に減少している。
妊娠・出産・育児に関連した伝統的な習慣・態度・実践には以下がある。
<妊娠中>
- 妊娠中に糸を巻き取ったり編んだりすると、赤ん坊の臍の緒が絡まる恐れがあると信じられているため、妊婦はこれらの作業を行わない。
- 夜外出すると例が胎児に影響を与える恐れがある途信じられているため、妊婦は夜の外出を控える。
- 妊婦が月を指さすことは胎児に影響を及ぼすとされているため、妊婦はこれをしない。
- 新生児用品を事前に購入すると胎児を緊張させたり不安にさせたりするとされているため、事前購入は控えられる。
- 妊婦にマンテオ(腰から下がぴったりと身体にそった前で重ねる衣服)を着せて毛布の上に寝かせ、その毛布を二人で持って妊婦を移動させると、出産が正常に行われるとされている。
- 子宮に手を当てて胎児の位置を調整する。
- 出産直前の数週間、妊婦の腹部にきつく帯を巻く。
<出産>
- 陣痛が始まるとき、妊婦(特に初産の場合)に家族全員が付き添う。
- 陣痛開始後、家族は妊婦を暗くて安全な部屋に移して守る。
- 出産の体位は、立位または膝立ちである。
- 胎盤は宅の敷地内に埋葬する。
- 臍の緒の一部の上に何らかの物を置く。
- 新生児が邪眼を持つ者とならないよう、新生児の手首に赤いリボンを付ける。
*「『邪眼』と呼ばれる特殊な目を持つ者が悪意を持って誰かを睨みつけるとその者に呪いがかかる」という迷信が世界の広範囲に存在する。
<産褥>
- 出産後、褥婦は少なくとも15日間は寝ていなければならない。
- 出産後、褥婦は鶏肉あるいは羊肉で作ったスープを飲むとされている。
- 褥婦は、鶏肉または羊肉(子羊)を中心とした食べ物を摂る
- 褥婦はハーブティーを1日に数回、8日間飲む。
- 根とハーブを使ったボディマッサージを褥婦に行う。
- 地域によっては褥婦の初乳が捨てられる。
出典:研究協力者(医師Manuel Ige氏、ペルー在住)が現地の関係機関から収集した情報