日本で暮らす外国にルーツを持つ子ども・子育て支援サイト
 

保健医療制度(ミャンマー)

項目 内容
国民皆保険
2030年までの国民皆保険実現を政府としては公言しているものの、現時点で公的医療保険はない。社会保障法(Social Security Law, 2012)に基づく一部の加入労働者を対象とした医療保険制度があるほか、公的医療機関における診療の際の診察費用や基礎医薬品等医療費の一部が税金により賄われている。
保健・スポーツ省が保健・医療施策全般を所管しているが、社会保障法に基づく医療保障制度は労働・入国管理・人口省が、国軍関係者や家族を対象とする医療保障制度は国防省が、高齢者、障害者、若年者対策は社会福祉・救済復興省がそれぞれ所管している。
母子保健に関する法律・制度
Maternal and child welfare Association laws (1990) 改正(2020)
小児の保健医療福祉教育に
関する法律・制度

The Child Law, Myanmar (1993)
保健医療サービスの提供体制
  • 保健医療サービスは,大きく分けて,国レベル,地域/州レベル,タウンシップレベルに分けられている.
  • 大都市に設置されている国レベルの総合病院,特定機能病院(小児病院,眼科病院等)と州/地域レベルで設置されている州/地域総合病院において,2・3次医療が提供されている.
  • 各タウンシップ(人口10万~20万人)では,1次・2次医療を提供するための施設として, 16~25病床程度を有するタウンシップ病院が地域の状況に合わせて1カ所程度と,その下に4~7カ所の地域保健センター(Rural Health Center)が設置されている. さらに,各地域保健センターは,4カ所程度のサブセンター(Sub-Center)を管轄している.  
  • 一部の国立病院以外は300床未満の施設が多く,全体の3割程度はタウンシップ病院を含む50病床未満の規模の病院で,その半数が地域保健を担う小規模なステー ション病院となっている
  • 保健医療サービスの提供体制は,公的保健医療施設を 主に設計されているが,公的医療機関の数は十分であるとは言えないことから,民間の保健医療施設も多数存在 する.

出典:国民皆保険に関する情報
厚生労働省 厚生労働白書 2019年海外情勢報告 https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kaigai/20/dl/t5-06.pdf(アクセス日 2024/02/22)
その他の情報については、2020年現地における有識者(ヤンゴン看護大学教員、保健センター所長・看護師)のヒアリングおよび実際の観察(乳児健康診査・予防接種)を通して収集